皮膚腫瘍には良性および悪性があります。
皮膚腫瘍
皮膚良性腫瘍
良性腫瘍における基本方針
- 確実に切除する。
ただし腫瘍の種類、部位によっては部分切除にとどめることもあります。 - 傷跡を最小限にする
部位により傷跡の方向を考え、できるだけ健常部にはダメージを与えないように切除をおこない、縫合は基本的に2層、場合により3層で、創縁を完全に合わせて行います。
抜糸も可及的に早期に行います。抜糸はほとんど痛みはありません。
また、傷跡をきれいにするには後療法が重要になり、基本的にはテーピングをしっかり行っていただきます。
良性腫瘍における手術手順
- デザイン
基本的に良性腫瘍は腫瘍のみを切除するため、傷をできるだけ小さく、また目立たなくするため、最小の切開線を、傷がもっとも目立たない方向にデザインします。 - 局所麻酔
デザインをした周囲に、細い針にて局所麻酔薬は注入します。
基本的に手術の過程のなかで痛みを感じるのはこの過程のみです。 - 切開
デザインに沿い切開しますが、切開の角度も、もっとも手術後の傷跡が目立たなくなるように、部位、年齢、腫瘍により、もっとも適切な角度で、 切開します。 - 剥離
腫瘍に沿い、周囲の組織のダメージが最小になるように、剥離します。 - 腫瘍の摘出
腫瘍を取り残しがなく、かつ周囲にダメージを与えないように摘出します。 - 真皮縫合
形成外科においては、手術後の傷跡が最小限になるように、真皮縫合をおこないます。
この縫合糸は組織内に置いておくので、必要最小限の太さの糸を用います。 - 皮膚縫合
真皮縫合により創は、ほぼ閉じており、創縁の微調整のために皮膚縫合を行います。
もちろん、線路のような縫合糸の跡が残らないように、極力優しく、組織にダメージを与えないように縫合します。
手術時間は腫瘍の種類、大きさ、部位によりますが、基本的には短いもので5分、長いもので、30分で、痛みは局所麻酔の注入時のみです。
万が一、手術中に痛みを感じる用なら、局所麻酔薬を追加でします。
皮膚悪性腫瘍
皮膚悪性腫瘍における基本方針
早期のものであれば、当院でも切除します。また、患者さんのご希望により、宝塚市立病院形成外科、兵庫医大形成外科、阪大病院形成外科に紹介します。
皮膚悪性腫瘍に関する取り決めに準じて、腫瘍により切除範囲を決定します。
確実に切除することが何よりも重要で、厳重な経過観察を行います。
もちろん、できるだけ傷跡が目立たないように、手術、後療法を行います。
眼瞼下垂
眼瞼下垂とは…
様々な原因により上まぶたが垂れ下がってくる状態のことを言います。
先天性(生まれつき)のものと後天性のものに分類されます。
後天性の眼瞼下垂は腱膜性眼瞼下垂が多くを占めております。
- 原因のわからない頭痛やひどい肩こりはありませんか
- ものを見るときに額にしわをよせてみていませんか
- ものを見るときに顎先をあげてみていませんか
- 人からいつも眠たそうと指摘を受けたことはありませんか
腱膜性眼瞼下垂は…
- 老人性眼瞼下垂(老化により瞼が下がる)
- コンタクトレンズ眼瞼下垂(コンタクトレンズの長期使用によるもの)
- 内眼手術後眼瞼下垂(白内障・緑内障・硝子体手術後にだんだん瞼が下がる)
- 花粉症やアトピー性皮膚炎にてまぶたを強くこすったことによるもの
によるものがほとんどです。
当院では眼瞼挙筋腱膜および眼窩隔膜を瞼板へ縫着するという、形成外科で一般に施行されている術式をさらに工夫して行っております。
傷は二重のラインに隠すのでほとんど目立ちません。
眼瞼下垂と診断できれば保険診療で行うことができます。
手術は局所麻酔で行い、約90分で終了します。日帰りで行うことができます。
手術後は腫脹や内出血などがみられますが、約1週間で軽減してきます。
1ヵ月もすればほぼ落ち着いた状態になります。
手術費用は片眼につき
1割負担の人で8,000円
2割負担の人は15,000円
3割負担で25,000円程度
であると考えてください